NEWS-2TBSの「ねこ自慢」で〈A Cat Tree Wall by 懐石〉が紹介されました
猫様が遊んだり、くつろいだり、
猫様と飼い主だけの贅沢な時間を楽しめる、
そんな新しいキャットタワーです。
まず、コンセプトとビジョンをデザインする前提として、2つのことを意識しました。
1つは、「建築家」だからこそ生み出すことのできるプロダクトであること、です。
私はプロダクトデザインの専門家ではありませんので、整った綺麗な「家具としてのキャットタワー」を創るのではなく、建築家ならではの発想で、「家具と建築の中間のようなプロダクトを創りたい」と強く思いました。
2つめは、「建築家・山之内淡」ならではのユニークな発想と新鮮なアイデアをもとにした作品であること、です。「作品」というと少し高尚な響きがありますが、作家性や作品性が宿る、一貫した思想や哲学のあるものを創ることでこそ、伝えられるメッセージがあると信じています。
まとめますと、「建築家ならではのプロダクトでありながら、作家性/作品性をもつ作品でもある」ということを、コンセプトとビジョンをデザインする上での前提として強く意識しました。
私は常々、キャットタワーを見ていて、猫たちだけが楽しそうで、羨ましいなあ…自分も一緒にキャットタワーで遊べたら良いのに…と考えてきました。
冷静に考えてみると、既存のキャットタワーのデザインは、販売しやすい大きさであったり量産に適した形状であったり、ある意味、人間の都合で設計されているともいえます。愛猫と人間が共存する幸せな風景の実現が、第一に考えられているとはいえないかもしれない。
そんな問いから、『愛猫と人間が一緒に使える、これまでにないキャットタワーを創る』というコンセプトを生み出しました。それは「家具と建築の中間のような建築家ならではのプロダクト」であり「一貫した作家性/作品性をもった作品」でもあります。
また同時に、〈懐石〉ブランドのテーマである愛猫と人間との相思相愛とも親和するものでもあります。
ビジョンとしては、愛猫と人間が共存する幸せな風景が見たい、愛猫と人間が一緒に過ごす時間と空間を慈しんでいただけたら、と考えています。
具体的な設計要素は、距離感です。〈A Cat Tree Wall by 懐石〉は、文字通りに壁(Wall)を、曲面状にくり抜くデザインですが、くり抜くことでできる空間相互の距離感が、愛猫と人間の両方にとって心地よくなければなりません。
この空間相互の距離感が、近すぎても遠すぎても心地よい体験になりませんので、繊細に設計を行いました。
先のご質問への答えと重なる部分ですが、空間体験として、愛猫と人間が一緒に過ごしたときに、心地よくあることです。
その「心地よさ」=「相思相愛」は、主に距離感によって生み出されると考えていますので、特に重要なのは距離感の設計です。
猫たちがとても気に入ってくれて、感動しました。初めて見るもの(例えば新しい家具や家電など)には警戒を示すことも多いのですが、すぐに興味を示してくれまして、3匹一緒に楽しそうに使っている姿も見ることができました。特に生後7ヶ月の仔猫も、飛び上がったり、窪みから窪みに飛び移ったり、寝転んだり、居眠りもしたりと…成猫の2匹と同じように満足気な様子でした。
3匹いた猫たちが、みんな気に入ってくれたのは、本当にうれしかったです。
「愛猫が気に入ってくれるもの」を創ることは、決して容易ではありません。
猫たちは人間の言葉も話せませんし、猫たちも人間と同じようにそれぞれに性格が違いますので、「猫」と一括りにできるものでもありません。
ある意味、要望やフィードバックを言葉で表現してくれる人間より難しい対象といえます。
そんな中で、3匹の猫たちがみんな気に入ってくれていましたので、何か、根源的な、原初的な心地よさを実現できたのではないかと思っています。
非常に共感を持っています。日本は愛猫家大国のひとつですので、猫を第一に、猫ファーストに、という言葉は、比較的よく見かけますが、個人的に本質的に大切だと信じているのは、愛猫と人間、もちろんワンちゃんや植物たちなども含め、生物間の違いを越えて共存できることの幸福です。
それはまさに、愛猫と人間が相思相愛になる、という懐石ブランドのテーマそのものであると思いますので、とても共感しています。
少し、つくり手としての自信がついたかな…と思っています。笑
先ほどお話ししたように、猫たちは人間の言葉も話せませんし、猫たちにもそれぞれに性格がありますので、本当に猫たちが気に入ってくれるものなのか、創ってみないとわからない部分が人間を対象とする作品以上にあることは事実です。
もちろん、自分のセンスに自信をもって設計/デザインをしていますが、今回の懐石ブランドとのコラボレーションプロジェクトを手掛けたことで、「自分の設計/デザインするものは、猫たちにちゃんと愛されるものなのだな」というより確かな自信に繋がりました。
建築家。1986年北海道札幌生まれ。Tan Yamanouchi & AWGL(株式会社AWGL一級建築士事務所)代表取締役兼代表建築家。2匹の愛猫を“2人の施主”に見立て設計した自宅兼アトリエ《A Cat Tree House》が由緒ある国際建築賞を受賞する等、数々の話題作を手掛ける新進気鋭の建築家。《A Cat Tree wall by 懐石》は建築家として手掛ける初のプロダクト。
Tan Yamanouchi & AWGL official website : https://awgl-inc.com
official instagram : @tanyamanouchi
こちらのキャンペーンは終了しました。
多数のご応募
誠にありがとうございました。
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〈A Cat Tree Wall by 懐石〉を、世界最高峰の建築芸術文化祭典であるヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展に出展できたことを大変嬉しく思っています。出展のきっかけは、私が今回のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展(2025)公式企画展TIME SPACE EXISTENCEに、公式招聘建築家として指名を受け、公式招聘作品を出展することが決まっていたことです。
〈Anywhere Door〉という屋外展示の建築インスタレーション作品を公式招聘作品として出展したのですが、その作品と同時出展のかたちで〈A Cat Tree Wall by 懐石〉も出展するのはどうかとペットラインさんにご相談したところ、快諾をいただき、2作品同時に出展する前例のない試みになりました。ペットラインさんの懐の深さ、クリエイティブへの理解などを含め、心から尊敬を感じます。
いま、日本は内向きにどんどん閉じていってしまっており、国際舞台から存在感を消しつつあります。それは、建築をはじめとしたデザイン/クリエイティブの分野でも同様です。私は、一度建築以外の広告分野を経験してから建築家として出発した稀有な経歴でもありますので、外から客観視する“外様”の視点をどこかで持っています。そのため、いまの日本の状況の深刻さをより強く感じてきました。
猫と人間の共生の素晴らしさを称える家具と建築の中間のようなプロダクト〈A Cat Tree Wall by 懐石〉は、多様な価値観が混ざり合う国際舞台に適しています。そして、先述した日本の閉塞状態を生物多様性の観点から越えていこうとする前向きな姿勢は、後に続く人たちの背中を押すことにもなるでしょうし、とても素敵なことであると強く思います。
今回2作品を同時に出展している『ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展(2025)公式企画展TIME SPACE EXISTENCE』は、約200日間にわたる長い展示期間があり、年末の11月23日までイタリアのヴェネチアで展示されます。機会がありましたらぜひ現地でご覧いただけますと大変嬉しく思います。