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【専門家監修】猫の腎臓ってどんな働きをしているの?構造と役割を解説

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荒川 真希

ヤマザキ動物看護大学 動物臨床栄養教育学研究室
講師[愛玩動物看護師・ペット栄養管理士・VT・AHT・CDT・DGS]

猫の腎臓のしくみ

人間と同じく、猫ちゃんの腎臓もソラマメのような形状をしています。腰の少し上にあり、背骨を挟んで左右1つずつあります。 毛細血管が毛玉のように絡まった糸球体と糸球体を包んでいるボーマン嚢、尿細管からなる「ネフロン」という構造物が集まってできており、猫ちゃんにはこのネフロンが約40万個あるとされています。

猫の腎臓の主な働きとは

猫ちゃんの腎臓には様々な働きがあり、どれも猫ちゃんの生命を支える上でとても重要です。ここでは、4つの役割について解説します。

1.老廃物を排出する

< 腎臓の主な働きは、血液をろ過し、不要な老廃物などを尿として体外へ排出することです。腎臓に送られた血液は腎臓の「ネフロン」の糸球体でろ過され、尿の元となる「原尿」から作られます。原尿に含まれているのは老廃物の他にブドウ糖やアミノ酸、ミネラルなどの栄養成分や水分です。その内、体に必要な成分は尿細管で体内に再吸収されます。 一方、再吸収されなかった不要な成分や老廃物などは尿となり、腎臓から尿管、膀胱、尿道を通って体外へ排出されます。老廃物が排出されずに体の中に蓄積されていくと、生命活動に支障をきたすことにもなりかねません。 そのため、血液をろ過してきれいな状態にし、老廃物を体内から排出する腎臓の働きはとても重要なのです。

2.血圧を調節する

腎臓への血流 が減少し血圧 が低下すると、「レニン」と呼ばれる血圧を調整するホルモンが分泌されます。レニンは血管を収縮するアンジオテンシンⅡを生成するために不可欠で、血圧を上昇させて血圧を一定に保ちます。血圧が高い場合は、レニンの分泌量を減らして血圧を下げます。このように、腎臓は血圧を調節する大切な働きをします。

3.水分量を調節する

猫ちゃんの体重の約60%は水分です。腎臓は不要な老廃物を体外へ排出するだけでなく、体の中の水分量を調節し、体内環境を一定に維持する働きがあります。

4.ミネラルバランスを維持する

腎臓には、カルシウム・ナトリウム・リン・カリウム・マグネシウムといったミネラルの量を一定に保つ働きがあります。これらのミネラルは、骨や歯を形成 したり、細胞の浸透圧の調節をしたりなど、体の機能を維持する上でとても大切な役割を果たしています。

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