目、耳、表情、しっぽで見分ける犬の気持ち(ボディランゲージ編)
ワンちゃんのボディランゲージとは、目や耳、表情、しっぽなど体全体を使って気持ちを表現する方法です。吠えたり、体全体を使って不安や警戒、喜びなどの気持ちを表現しています。飼い主が、もっとワンちゃんの気持ちを理解するには、このボディランゲージを知ることが大切です。
ワンちゃんは不安や恐怖を感じているときは、自分の体を小さく見せようとし、反対に自分に自信があったり威嚇するときなどは、体を大きく見せようとする傾向があります。
今回は、犬のボディランゲージのいくつかの例を紹介していきます。
ボディランゲージの一つとしてカーミングシグナルと呼ばれるものもあります。興奮している相手を落ち着かせたいときや、自分のストレスを軽減したいときに発するワンちゃんのシグナル(信号)で、これも知っておきたいもの。これについては、回を改めて紹介します。
目
・目を見開く→不安・警戒・緊張/興奮・期待
目を見開くと、正面を見ているのに白目が見えて、目が飛び出ているように見えます。その時、口元が緩んでいれば、興奮してたり、何かをもらえるのではないかと期待しています。
・上目遣い→不安・恐怖/リラックス
飼い主に対して不安や恐怖を覚えながらも、嬉しい気持ちもあるという複雑な心境のときに上目遣いをします。伏せて地面にあごをつけたまま上目遣いで見る時は、リラックスしている状態です。
耳
・耳が後ろに折りたたまれる→服従・不安
・耳を立てて前に向ける→威嚇・集中・緊張
自分は強いと自信があり、威嚇するとき、目の前の何かに集中しているとき、緊張しているときに耳を立てます。
・耳を横に向ける→不安・警戒
不安で警戒しているとき、顔の向きは変えずに耳だけ動かして周りの音を聞きます。
表情
・口角を上げる(笑顔)→嬉しい・リラックス
・舌が出る→リラックス
・口を軽く開ける→リラックス・嬉しい/不安
リラックスしているときだけでなく不安なときも、口が軽く開いた状態になることがあります。
・口を固く閉じる→不安・ストレス・緊張・集中
しっぽ
・しっぽを上げる→嬉しい/警戒
どちらの感情であるかは、耳や目、口など他の部分も見て判断します。
・しっぽを下げる→警戒・不安
しっぽを下げているのは不安でいるときですが、これ以上近づいたりしつこくすると噛みつくというアピールも。攻撃するのかは表情で判断します。
・しっぽを後ろ足の間に→服従・降参
表情によっては攻撃するというメッセージでもあります。
・しっぽが水平の位置→不安
・しっぽを高い位置で早く振る→興奮・嬉しい
文:山口登(エム・プラス)
イラスト:影山直美